第3章 サンドイッチ
「水瀬もちょっと衣装手伝ってくれねぇか?」
「私が手伝ってもいいの?」
「斎宮、水瀬なら文句ねぇよな?」
「…そうだね。水瀬なら問題ないだろう」
なんでか斎宮くんもやってきて、私は鬼龍くんと斎宮くんに連れられて衣装製作を手伝うことになった。
「……」
私は姉役とか女物の衣装、鬼龍くんは男物の衣装、斎宮くんは主役の衣装作りを担当することになった。
そういえば、3人で揃ってお裁縫するとかいつぶりかな。昔は3人でいることが当たり前だったのに、中学からはあまり会わなくなった。鬼龍くんと斎宮君は高校で学科も一緒だからよく会うみたいだけど私は斎宮くんとはまったく会わない。
「水瀬が裏方の手伝いとは思わなかったぜ」
「同じクラスの友達が演劇部で、よく音響と照明は頼まれてたの」
「…普通科ということは宮間か」
「お、珍しく名前呼びか」
「渉が傍に置きたがるくらいだから仕方なくね…まあ、たしかによく動く男だと思うが」
「斎宮くん、鈴乃ちゃんは女の子だよ? 部活の時は男装してるんだって」
「「……!?」」
お裁縫に慣れてるからか喋りながらでも特に滞りなく作業を進めることができた。
でも、衣装完成までは私も手伝うことになったからクラス準備と演劇部の助っ人で校舎を行き来することになった。