第9章 ~明智光秀~ end.
「…………」
そ、そうか……ほんとに、私“達”の宴だ……
呆然と座る私の横には、いつものように澄ました顔の光秀さんがいる。
そして、同じ柄の着物……
「あの……私達って何か約束とかしてましたっけ?」
思わず呟く
「互いに惚れ合っているのに、何かいるのか?」
互いに……
そうか、お互いに……
「えっ!?」
思わず大きな声が出た私を見て、光秀さんがニヤリと笑った。
すると今度は
「きょうこ、坂本城に飽きたら、すぐに帰ってこいよ」
「いつでも歓迎いたしますよ」
秀吉さんと、三成くんだ。
「いや、それ帰されるってこともあるんじゃ……」
「まぁ、そん時は俺のところ来ればいいだろ?」
家康と政宗……
「そのような事になれば、光秀の首を斬る」
の、信長様……笑顔でそんな恐ろしいこと言わないで下さいっっっ!!!
「あの……これって……」
「俺達が国に帰る前の宴だ。まぁ、またすぐに此方に戻って来るんだがな……」
どうやら大きな仕事が終わって、信長様と約束をしていたらしい……
その大きな仕事の報酬は、纏まった休みと私。
……
私の意見なんて関係ないんだな。
まぁ、いいんだけどね。
私が光秀さんの事を好きなの、どうやら信長様にはバレバレだったみたいだし。
好き同士の二人を、正々堂々とくっつけただけだもんね。
でも、これで……
私は一生……
光秀さんと一緒なんだ……
その考えに至ったときは、もう宴会も終わりかけている頃だった。
まぁ、あと少しここでニコニコと我慢していれば、明日はゆっくり寝ていられる!
そう思った時だった。
「抜けるぞ、きょうこ」
「はいっ!!!」