第5章 ~石田三成~ end. 【後編】
「さぁ!きょうこ様、声を漏らさず力を入れてくださいませ!!!」
「!!!!!」
そう。家康が見立ててくれた出産予定日よりも、少し早くお産が始まってしまった。
あーーーわっかんないよーーーこんなのっ!!!
痛いし苦しいし!!!
痛みの逃し方とか、もっと本でも読んでおけば良かったーーーー
なんて思っていても、陣痛の痛みは容赦なくやってくる。
あぁ、こんな時に三成くんが側にいてくれたらなぁ~
ううん!三成くんは、立派にお務めを果たしてるんだから、私も私の務めをキッチリ果たして、帰ってきたら元気な赤ちゃんを抱かしてあげるんだ!!!
どれぐらい、頑張ったんだろう……
わからない。無我夢中だった。
ただ、ズルリと出た感覚と共に、さっきまでの痛みが一瞬で引いた!
そして
あぁーあぁーーー
と、元気な産声が聞こえてきた!
「若君です!若君ですぞ!きょうこ様っ!!!」
その声に“わぁっ”と歓声が沸いた。
そして、清拭された赤ちゃんを胸に抱くと……
バタバタバタ……!!!!
と大きな足音が聞こえてきた!!!
その後ろからは大きな声も聞こえる
「お待ち下さいっ!!!その様な格好では!!!お待ち下さいっっっ!!!」
バンっ!!!!
襖が大きな音を立てて開かれた!!!