第5章 ヒソカ×ト×タイケツ
ヒソカとの試合が終わり次の日。
テレビは昨日の試合の事ばかり流れていた。
「昨日のヒソカVSルーラー戦は凄かったですね。
3つ首の黒竜がヒソカ選手を襲った時は何が何だかわかりませんでしたよ。」
などと解説が語る。
一方、ヒソカはというと。
あれから私が手当をしたが、体力も削れていた為、完全には完治できずにいた。
顔は包帯で殆ど見えず、
両腕骨折。肋骨も何本もやってしまった。
「…♥」
少し拗ねているようにも見えるが、機嫌は悪くないみたいだ。
『ヒソカ。』
私はヒソカを呼んだ。
「なんだい?♠」
少しモゴモゴと喋るヒソカは可愛かったりもして。
『試合前に言ってた、あの言葉。』
“「ボクが勝ったら、付き合ってよ♦」”
「ウン…言ったね♣でもボク敗けちゃったし、キミにリベンジしたいな♥
今度は、会場じゃなくてさ♠」
『付き合ってやっても、
いいぞ。』
ヒソカの顔は包帯であまり見えないが、細くて切れ長の目はいつもより大きく開いていた。
「本当かい…?♦」
少し、声が震えている気がした。
ヒソカ、怖いのだろうか。
『本当だ。
私は…お前…がっ…んぐっ…!?』
ヒソカはギプスを巻いた腕をの口へ押し付ける。
「その先はボクから言わせて♣」
コクリと頷く。
ヒソカは、包帯をずらして静かに語り始めた。
「ボクね、あの深い森でキミを初めて見た時__、
一目惚れしたんだ♥
変だよね、ボクって一目惚れとか好きとか全然興味無かったし、信じてなかった♠
それなのにボクは一目惚れしたんだ♦
あの森の湖のほとりで、首なしの馬の手綱をもって戯れる姿に♣
ボクに声をかけた時の、凛としてるけど、闇を纏った声に…ね♥」
ヒソカが、こんな事を思っていたなんて。
この勝負に敗けたら捨てられるかもなんて思っていた私が馬鹿らしくなってきた。
ヒソカは、私のことが好きだって言ってくれている。
『私だって同じだ。
私もヒソカが好きだ。
最初は変な奴だと、変態だなと思っていたが__。』