第4章 トウギジョウ×ニ×トウジョウ
部屋へ戻り、私はシャワーを浴びに行く。
「あ、ちょっと待ってよ♠」
といって引き止めるヒソカ。
『なんだ?』
返事をし振り返ろうとすると首元にヒヤリとした感触。
ネックレスに、指輪が通っている。
「それ、ボクからのプレゼント♦」
指輪のサイズは私の薬指にピッタリだった。
『念が込められているのか、これ。
あとなんで指輪のサイズピッタリなんだ。』
すごく禍々しい念が込められている。
嫌な予感しかしない。
「そ♣まぁ、そんなに邪険にしないで♥
サイズは昨日寝ている間に確認したのさ♠
これでキミはボクのだよ♦
念を込めたのは他でもないよ♣虫除けさ♥」
『虫など私についておらん!
全く、また変なものを作りやがって!
シャワー浴びてくる!!』
と照れるのを隠すようにヒソカへ怒鳴りながらシャワーを浴びに行く。
「クククッ…♠可愛いなァ♦
いってらっしゃい♣」
チャプ…
湯船に浸かって私はブクブクと口から泡を出しながら考える。
今日のカフェでの事。
この指輪の事。
『ヒソカは…私のことどう思っているのだろうか。』
などとポツリと呟く。
私は少し怖かった。
ヒソカと、離れなければならない時が来るのではないかと。
ヒソカはきっと私からはなれていくのだろうと。
なら私は?
私はヒソカの事、どう思っているのだ?
『もう訳がわからない…』
と呟いて湯船から上がる。
部屋へ行くとヒソカはいなかった。
机にヒソカのトランプ。
《呼ばれたから、少し行ってくるよ♥
待っててね♠》
と書いてあった。
私は明日の試合に備えて早く寝ようとベッドに潜った。
1人で寝るベッドは酷くヒンヤリしているような気がした。