第3章 キミ×ノ×ナマエ
「ねェ、まずボクの家に寄ってよ♣
この格好だと、流石に目立つからね♦」
そうヒソカが私に言った。
着替えるためだろう。
まぁ、そのピエロルックな服じゃ目立ちまくりだ。
「着いたよ♠ここがボクの家♥」
というので指をさす先に目線を向けるととても高級そうなマンション。
『ヒソカって…お金持ちなのか。』
「まァね♣じゃあ、ちょっと待っててね♦シャワー浴びて、着替えてくるから♠」
といって風呂場へ消えていくヒソカ。
暇だな、と思い部屋を見渡した。
部屋には高そうなソファ。
大きいテレビ。
テレビは3年で凄く進化していた。
キッチンも調理器具が色々揃っていて圧巻だった。
別の部屋を見に行くと寝室。
とても大きいベッド。
これもまた高そうでふかふかなベッドだった。
そしてまた別の部屋。
そこは…
書庫だった。
『すごいな…』
本が好きな私にはすごく嬉しかった。
本が壁のようにビッシリと並んでいる。
どれも読んだことのない本。
3年も街へ出ていないのだから当たり前ではあるが。
クルリと見渡していると、ひょっこりとでてきたヒソ…
「やァ♥お待たせ♣
気に入ったかい?♦」
『誰だ、お前…』
いつもオールバックだった髪は下ろされ、顔のペイントもなく、そこに立っているのはイケメン。
「ボクだよ♠酷いなァ♥」
『別人過ぎるぞ。どうしてその格好じゃなく、ピエロみたいな服着てるんだ。』
「ギャップ♣
それにボクあの服気に入ってるんだ♦」
『そうか…、もう出れるのか?』
「ウン♠帰ってきたら、好きなだけ本読んでいいよ♥
ルーラーなら、どこの部屋も好きに使うといい♣」
『ありがとう、じゃあ、行こうか。』
そして2人は街へ出た。