第3章 キミ×ノ×ナマエ
ヒソカside
『その…、しばらく、ヒソカの家にお世話になってもいいか…?』
とても驚いた。
だってボク絶対断られると思って言ったから。
「断られると思っていたよ♠
でもどうして街へ出ようとすぐ決断したんだい?♥
ハンター試験出るためかい?♣」
『ハンター試験、そのためでもある。
でも、3年も出てないから少し不安なんだ。
その前に少しでも慣れておきたい。』
3年も出ていないでどうやって生きていたんだか…♦
「いいよ♠荷物まとめておいで♥」
『荷物…?何を持っていけばいいんだ?』
キョトンとしてボクに尋ねてくるルーラー。
ボクはまた驚いた。
「え…持っていくものないの?♣服とか…女の子なんだし、化粧品とか…♦」
女の子なのに、持っていくものがないと言うルーラー。
服も黒いシンプルなワンピースのみなのだろうか。
化粧もしてないみたいだ。
『服はこの黒いワンピースと、化粧…なんてしない…』
「じゃあ、そのまま行こうか♠
ついでにルーラーの服とか、必要なモノも買い出ししよう♥」
『私、お金もっていないぞ。』
「いいよいいよ♣ボクが出してあげる♦」
ついでにルーラーに着せたい服とか、ボクが選んであげたいからね。
『すまない…世話になる。
行こう、コシュタ·バワー。』
ブルルルッと震えながら返事をする首がない馬。
「この馬、連れてくの?♠
目立たない?♥」
真っ黒で首がない馬なんて嫌でも目につく。
まァ、ボクが言える事じゃないケド♣
『そうだな…街に行くまで時間もかかるし、私が連れて行ってやろう。
コシュタ·バワー、バイクになってくれ。』
ブルルルッと返事しながらバイクに変化するコシュタ·バワーと呼ばれる首がない馬。
「え、馬がバイクになれるの?♦」
『詳しくは話せないけどな、この子は特別なんだ。
さぁ、私の後ろに乗ってくれ、しっかり捕まっていてくれよ。』
「ボクが後ろに乗るのかい?♠
なんだか女の子に乗せてもらうなんて照れるなァ♥」
なんていいながらボクはルーラーの後ろに乗り街へ向かった。