第3章 キミ×ノ×ナマエ
あれから次の日。
また来ていいと言った私は、少しヒソカが来るのを楽しみにしていた。
『(まぁ、まだ次の日だからな。アイツは来ないか。)』
などと悠長に考えていた矢先。
「やァ♠」
ヒソカは来た。
『また来ていいとは言ったが、次の日に来るとは。』
「早くキミの本当の名前知りたいからさ♦
それにキミ、もう何年か街へでてないだろ♣
ご飯とかどうしてたんだい?♠」
食事に、衣服。
そんなものは…
『もう3年くらいは街に出ていない。
食事は…その辺の果物や魚のみだ。』
いつも笑顔のヒソカが少し驚いている。
そりゃそうだろう。
なんてたってこんな年頃と言っても過言ではない女が、3年も街に出ていない、なんて言うから。
「じゃあ、今日はボクと街へ行ってみる?♥」
『え?』
我ながら、すごく間抜けな声が出たと思う。
街へ行くなんて考えもしなかったから。
いやでも、私1人なら気が引けるが、ヒソカと一緒なら。
『ヒソカが一緒なら、行く。』
「モチロン♥ボクも一緒♠
なんだったら、こんな森の中にいないで、ボクの家に住むといい♣」
ヒソカの、家。
街中の家へ?
ヒソカがまたここに来るとなったら大変だろう。
なら私が街にでればいいのではないのか?
『そう、だな。ヒソカがここへ来るよりは、私が街へ出た方がいい。
それに…、来年のハンター試験は…受けようと思っているからな…』
ある人にハンター試験を受けてハンターライセンスを手に入れておけと言い渡されていた。
ある方が便利だから、とってもいいと思った私にはちょうど良かった。
『ヒソカ、』
「ウン?♦」
『その…、しばらく、ヒソカの家にお世話になってもいいか…?』