蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第627章 追憶のキミ2-20
翌日
翔side
-謁見の間-
私は、潤の涙を見るたびに心痛くて。必死に幸せを求めてはならぬのだ。と己に言い聞かせて
雅紀様の奥方になられる方には想い人がいらっしゃる?
──
「翔若様!」
母上様……
「翔若様! お久し振りでございます」
蘭の方様?
「翔若」
父上様……
私は、余りにも昨夜の話が衝撃過ぎた為、母の櫻の方にお聞きしようと謁見を申しでたのだが……父上に。そして蘭の方様までいらっしゃいるとは思いもよらなくて
-ガラっ-
襖が空いて
和也.智.雅紀.潤「失礼致します」
入って来たのは
翔「和也.智.雅紀.潤?」
四人が、謁見室に入って来て私の右に、雅紀.和也.智.潤の順に座わったのを待って父上が
殿「呼び立てしてすまない。久し振りにそなた達の顔を見れて嬉しく思うぞ」
病がちで、見舞いに訪ねても褥に、臥せっておられる事が多く。弱々しく話をされる印象であった父上様が、きちんと座布団の上に正座して目にも強き光が宿っていて
それにも増して、母の、櫻の方と、蘭の方とが共に居られるのが……
殿「色々、言いたげ、聞きたげな顔をしておるの(笑)そなた達。情けない事に、これまでの私は周りの者達の権力闘争を治められない。不甲斐なさから、己のすべき事より逃げて来たのだ。その為に、そなた達に悲しく辛い想いを沢山させてしまい申し訳なかったね」
翔「父上様」
雅紀「父上様」
和也「殿様」
智「殿様」
潤「殿様」