蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第625章 追憶のキミ2-18
潤「はい。雅紀様っ。お辞め下さい!」
潤を褥に横たえた瞬間いつもの様に……
雅紀「なぜだ? 潤?」
涙した潤。そんなに嫌なのか? 私に愛される事が?
潤「雅紀様……雅紀様は三日後には奥方様をお迎えになられるのですよ? あの日。熱を出した日に受け入れた私が悪いのです……雅紀様に誤解をおさせした恐れ大き振る舞いをしてしまいました。申し訳ございませんでした。ですから……」
──
雅紀『潤……潤…なぜ最後まで受け入れてはくれぬのだ?』
あの日から……ずっと
雅紀「潤。世間の常識からしたら確かに許されないのかもしれない。しかし……」
潤「雅紀様?」
(私の独りよがりな想いだと言うのか? 潤? 最後まで受け入れぬ潤……あの日私の接吻を……愛撫を受け入れて……ん? 熱?)
雅紀「潤? 確認したいのだが……私と奥方の関係について、どの様な認識でいるのだ?」
潤「なぜその様な事……雅紀様が櫻井家を継がれる事が決まったゆえ。跡継ぎを……その為に奥方様をお迎えになられるのでしょう?」
悲しみをこらえる様な瞳で私を見つめて潤は……
雅紀「やはり……済まない……私がそなたが熱を出して辛い時に打ち明けたゆえ」
私がそう言うと、潤は
潤「雅紀様は不誠実なお方ですっ。私に『伝えるゆえ』と。私は、奥方を心良くお迎えして、お二方をきちんとお支えしようと決意しておりましたのに。お願いされた雅紀様が……私に……もうし訳ございませんっ。雅紀様っ。立場をわきまえずにっ」
涙を流した潤
雅紀『潤……二つもはしょって認識しておるぞ。それでは心がすれ違うはずだ。私は『いずれ伝えるゆえ。私を信じて付いて来て欲しい……私の心の中にいるのは。そなただ潤』と、申したのを覚えているか? もう一つは『実はな……潤……奥方になられるお方には、心に決めたお方がいるそうだ。だから心配いらないのだ。と伝えたのだが。熱を出している時に……それ以前に、押し倒した時に伝え様とした事が間違っていたのだ。本当に済まない潤。それでは、私がそなたを愛そうとする度に辛かったよな」