蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第624章 追憶のキミ2-17
400年前
一月後
潤side
「潤。雅紀様が部屋に来るようにとの事だ」
私はお小姓とはいえ。時に雅紀様のお側を離れて別の事をする時もある
特にこの所は……私はお小姓としてはあるまじき。雅紀様から少し離れたいと……
心の整理をする時間が欲しい……と思う事が増えていた
雅紀の部屋
雅紀「潤! 用事は済んだのか?」
満面の笑みの雅紀様……居間ではなく、寝室に通された……視界に映るのは
潤「はい。雅紀様っ。お辞め下さい!」
言い終わらぬ内に、雅紀様に褥 《しとね》に横たえられて……
雅紀「なぜだ? 潤?」
なぜ? 雅紀様……私にそれを言えとおっしゃるのですか?
余りの悲しさ、辛さに勝手に涙が溢れて来て
潤「雅紀様……雅紀様は三日後には奥方様をお迎えになられるのですよ? あの日。熱を出した日に受け入れた私が悪いのです……雅紀様に誤解をおさせした恐れ大き振る舞いをしてしまいました。申し訳ございませんでした。ですから……」
あの日だけではない……
一月後には、雅紀様が奥方様をお迎えするのだからと思いながら
──
雅紀『潤……潤……なぜ最後まで受け入れてはくれぬのだ?』
(神様……いえ。奥方……様。どうかお許し下さい。雅紀様が奥方様をお迎えする日までは……お迎えされた後は、もう雅紀様を受け入れたりしません。それまでは……)
──
最後まで受け入れなければ……その様な身勝手な言い訳をして。私の身体中に接吻を……雅紀様からの接吻の愛撫だけは受け入れていたのだ
雅紀「潤。世間の常識からしたら確かに許されないのかも知れない。しかし……」
雅紀様?