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蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )

第622章 追憶のキミ2-15


 翔「分からぬ……なぜ接吻などっ。何より分からぬのは私自身だ。どうしたら良いのだ? 和也っ智っ。私を助けてくれっ」

 翔若様の

 翔殿の

 悲しき叫び……

 智「翔若君? お心内をさらけ出したら、少しは楽になるやもしれぬ」

 和也「翔若様? お心内をさらけ出されたら、心の中が整理されるのではありませぬか?」

 翔side

 そうだ……和也、智……心の内をさらけ出して良いのか? と思う前に、潤には話したのだった

 翔「和也すまない…… 私の為にそなたの父親を……」

 私が言い掛けると、和也は私の頬を両手で挟むと

 和也「翔若様! 父が島流しになったのは、己の責任です! 私こそ謝らねばなりません。翔若様は、拉致された挙げ句に、階段より落とされたのですよ? 翔若様が雅紀様に、智殿。潤殿。果ては私に謝る必要など無いのです!」

 翔「潤も、同じ様に言ってくれたのだ……」

 智「翔君こそ…… 大変な思いをされたではありませんか……大怪我をされ、記憶の障害を負われ。 私達は頼りないかもしれません。けれど、どうかこれからは、頼って下さいませ。私も和也殿や潤殿、そして雅紀殿と共に翔君をお支えしますゆえ」

 翔「その言葉も、言ってくれたぞ……潤が」

 和也「そ、そんな……お心内を私より先に潤殿に明かされたのですか?」

 智「和也殿……落ち着いて」

 和也殿の気持ちは分かる。しかし今は……な? 

 翔「父が『この先、櫻井家の跡を継ぐ者として。雅紀に嫁を迎える事としよう』そう仰られたと話してくれたのだ」

 智殿の気持ちが伝わって来る。その事は後で……と

 智「和也殿。潤殿の涙された訳は、雅紀殿がきちんとご説明されるだろうゆえ。私達は、翔君の想いをお聞きするのが先であろう?」

 和也「そうですね智殿。お立場上中々弱音を吐けずにいらっしゃる翔若様のお嘆きをしっかりと受け止めて、お支えする事が私達には大事な事ですものね?」

 何やら話している二人……と、智は私の頬を両手で挟むと

 智「翔君! 何よりも不安や、怖いと思われている本音をお話下さいませ!」

 和也

 智

 この二人になら……













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