蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第621章 追憶のキミ2-14
智、和也の問いかけに、涙が溢れて……両拳を握り両膝に置き、唇を噛みしめ。口を閉ざしたまま。二人の表情にて想いを汲み取ろうと
大げさでなく智の
心の内を吐き出させてあげねば……このままでは翔殿の心が壊れてしまう!
智の心の声が聞こえて来た気がして
智「翔殿? 苦しい胸の内を、この智に話して下さらぬか? 私がこの先ずっと……翔殿のを支えますゆえ」
大げさでなく和也の
お心の内を吐き出して頂かなくては……このままでは翔若様のお心が壊れてしまう!
和也の心の声も聞こえて来た気がして
和也「翔若様? どうか。そのお心内をこの和也に話して下さいませ……私がこの先ずっと……翔若様をお守り致します」
智が、私の唇に右手親指にて軽く触れて来て。右手にて私の左頬に触れてくれて
和也も、私の唇に左手親指にて軽く触れて来て。左手にて私の右頬に触れてくれて
チュッ
翔「智? な、なぜ? 何をした?」
智「何を? 接吻ですよ?」
「……」
チュッ
翔「和也まで? 何をしたのだ?」
和也「申し訳ありません? 接吻させて頂きました」
「……」
気が付いたら叫んでいた
翔「分からぬ……なぜ接吻などっ。何より分からぬのは私自身だ。どうしたら良いのだ? 和也っ智っ。私を助けてくれっ」