蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第617章 追憶のキミ2-10
雅紀side
雅紀の部屋
雅紀「潤。翔の若君と、なぜ東櫓にて抱き合っていたのだ?」
いつも、心の中の整理をする為に、西の対屋に近い西櫓か、時に翔の若君の住まいである北の対屋に近い北櫓で泣く事の多いが、両櫓に居ずに焦った
潤を探している途中に、同じ様に焦った様子の和也と智に遭遇し、一緒にと、の若君を探す事にしたのだけど
普段使用頻度の低い、東櫓に居た事も驚いたのだが……
私の問いかけに対し、大きく美しい瞳に涙を溜めて見つめ返して口を閉ざしたままの潤
まぁ、理由は私の嫁取り問題と推察しているのだが……
雅紀「 実はな潤。おそらくそなたが泣いている事について、 話しておかねばならぬ事があるのだが……」
言いかけて、考えたのだ。 二つ伝えねばならぬ事の内、どちらが私にとって優先順位が高いであろうと
決めた……
可哀相に…… 聞きたくはないと言うように、両拳を握り両膝に置き、唇を噛みしめていた為に血が滲んでしまっている潤
私はその唇に軽く触れ、両手にて潤の両頬を包み込み
チュッ
潤「雅紀様? な、なぜ? 何を?」
雅紀「何を? 接吻したのだが」
「……」
どう解釈したら良いのか、分からなくなったのだろうな。何も返してこない潤
雅紀「いずれ、伝えるゆえ。私を信じて付いて来て欲しい……私の心の中にいるのは。そなただ潤」
チュッ
私は、もう一度潤の唇に接吻を落として……