蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第615章 追憶のキミ 2-8
その時の怪我が元で、左足を痛め、引きずって歩く事を余儀なくされ
最大の症状として、前日の出来事を、朝になると忘れてしまうようになっていた
それを踏まえて
決断を下したのは……父だった
雅紀『翔の若君。自分を責めてはなりませぬ。日向の守の伯父上が、切腹の処分を受けたのは自業自得ゆえ…… 島流しの刑を受けた内大臣も。潤にも話したのですが。私は、翔若君への贖罪の気持ちを持ち続け、この国を治めていく事をお約束致します』
そうおっしゃって下さった雅紀様
和也と潤の父親も島流しになったのだ
そして……
ギギギギ……
『翔若…… 時に一人で、思いを巡らせたい事もあるであろうの……』
まさか、父上がこのような我が儘を聞いて下さるとは思わなかった…… 櫓の使用許可を頂き。 鍵を預かり扉を開けた瞬間
(ちなみに、既に、雅紀様は使用許可を頂いており。二つある内のもう一つの鍵は潤が管理しているとの事)
そこに居たのは……
「ひっく、ひっく」
翔「潤か? なぜ泣いているのだ?」
もう一人……私の為に涙を流している潤が居たのだった