蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第613章 追憶のキミ2-6
雅紀side
櫓の中隅に座り膝を抱え顔を埋めて泣いていた……一つ年下十六の潤。雅紀殿を支えてくれていた。大切な潤
伯父上の妄執に同意しているのは数人が、翔の若君を……愚かな計画を立てている事に、心を痛めていた潤が可哀相で
潤side
伯父上様の日向の守様が、 愚かな計画を立てている事に気が付かれ
心を痛めておられた。いつも穏やかな雅紀様が、顔色を変えて怒りに震えていらっしゃった。一つ上の十七の雅紀様は、お優しくて。小姓である私や全ての、下々の家臣にまでお優しい方で…
お可哀相で……
翔side
俺は、翔若の為に、苦しい立場に置かれていた雅紀様と、潤にどのような想いでおられたのだろう? と思ったんだ
だって……
(もう何度も私は、家督を継ぐ事に、何のこだわりも無いと申し上げているのに……)
そう翔若は思っていたのだから……