蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第613章 追憶のキミ2-6
翔side
雅紀「狭間 《さま》?」
和也「狭間とは簡単に言うと、戦闘の際はそこから弓矢や鉄砲などで攻撃した防御の為の……相葉。城を勉強した割には……」
潤「二宮先生! 雅紀! 俺が教えてやる!」
和也さんは雅紀がお気に入りなんだよね。彼は好きな人程からかったりしたくなる質だからね?
潤さんは、雅紀を庇うのに必死だし
智さんは壁を見たり、狭間の穴を覗いたり……一人、我れ関せずで眺めている
けれど口元が笑っているから面白い話はきちんと聞いているんだよね
皆の空気が変わったんだ
雅紀「ここ、 本丸御殿の西の対屋のあった当たりだ……なんだか苦しくなる場所だな……」
雅紀……
雅紀side
400年前の雅紀殿は
『蘭の方様、正室の櫻の方のお産みになられた若君は、お身体も弱くこの国を治めるには…… 側室とは言え…… 蘭の方様……』
本家筋の翔の若様より一月早く生まれた十七の雅紀殿。翔の若様がお身体が余り丈夫ではないのだから……
それなら翔若様に代わり国を治めるべきた!
そう主張する
『日向の守…… 兄上…… そのような事軽々しく口になさるのは、辞めて下さりませ……』
雅紀「お可哀相に蘭の方は、翔若様の兄の雅紀殿にとっては伯父の、日向の守の妄執に苦しんでいたんだよな」
潤「雅紀……」
潤「西の対の屋-に近いこの建物…… **西櫓 《ヤグラ》だ。悲しい想いにかられる場所だな」
潤が、櫓の中隅に座り、膝を抱え顔を埋めて泣いていた時
雅紀『潤? 大丈夫か? 私の伯父上の妄執にそなたの父は…… 伯父上の家臣とはいえ…… 意にそぐわない命に従わねばならず、苦しんでいるのだな。本当にすまない……』
潤「潤は、ご主君である雅紀様に、家臣の潤に頭を下げさせた事と……自分の父親が、雅紀様の父上の日向の守に辞めるように進言せずに、付き従っていた事が悲しかったんだよな……」
雅紀「潤……」
(狭間 611章に記載)