蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第586章 ずっといっしょ… 2-4
智絵(さえ)『私のわがままから、あの子には色々我慢させて来たと思うの。母と息子…二人で生きて行くには…前に、翔が余裕のない鬼スケジュールを立てた時に『仕事より、翔を優先した』って言ったけど…翔が小さい時は、延長保育、学童クラブとかを使って、私は看護師の仕事を優先させていたの…』
智『うん』
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智「そんな姉ちゃんの姿を見て、翔ちゃんは 自分のわがままを口にしない子になっていったんだって。姉ちゃんが涙ぐんだんだ」
和也「あの…気の強いお姉ちゃんが?…って。言い方間違えたね。お姉ちゃんは後悔したんだね?」
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智絵『疲れて帰って来る私を見て『テストで100点取ったけど…明日見せよう』『明日… 遠足だけど… お弁当作ってもらうの悪いし…貯めていたお小遣いでパン買って行こう』とか… 大切な事を口にしない子になっていったの…』
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和也「翔ちゃん…」
智「けどさ…参観日とか、面談の日時とかさ。学校から『どうされます?お返事が頂けてませんけど』 とか、連絡が来るわけじゃん? そこで姉ちゃんちゃん気付いたんだって」
和也「お姉ちゃん… ビックリして…そして自分を責めたんだろうね?」
智「うん… その後、翔ちゃんと二人で話し合って『なんでも隠さずに話して欲しい』って伝えたけど」
和也「内向的な性格も手伝って、翔ちゃんは自分の思いを伝える事が苦手になっちゃったんだね?」
智「うん…ちょっと前置きが長くなっちゃったけど…翔ちゃんは、 自分の口から潤と雅紀くんに伝えねばならない事だって分かってる。けどどうしても… 姉ちゃんに打ち明けて。姉ちゃんからオイラに話して欲しいって…あの潤と雅紀くんの巻き込また交通事故のさ…」