蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第560章 秘密の館の秘密の住人 番外編1
翔「夢見てたの。一度だけお母さんと、父様と僕が3人で写真を写した日に逢った日の事。その一度だけだった。お母さんと、父様が一緒に居たとこを見たの。その後、僕五歳だったんだけど覚えてる。村の人に何か嫌みを言われて、お母さんがハッキリと『一度だけ、息子に逢わせる約束をしました。息子への贈り物として、父親との思い出を残してあげたいと考えて写真を撮るために逢ったんです。もう二度と逢う事はありません。不快な思いを頂かせてしまい申し訳ありませんでした』って答えてた… その後お母さん泣いてたんだ…」
和也「お辛かったでしょうね…」
智「可哀想に酷いな…」
翔「僕、小さい時は思った事を直ぐに口にしちゃうような子供だったの。 お母さんが可哀想で、村の人に『お母さん泣かせた』って文句を言ったの。そしたらそのせいで又、お母さん嫌みを言われちゃって… その時から僕、どうしても人に想いを伝える事が苦手になっていって… 誤解を受けたり、村の人達を怒らせてお母さんが二度と苦しめられないように…って…大事な事程、言えなくなったんだ…」
智「翔…辛い話を頑張ってしてくれてありがとうな」
和也「翔ちゃん…がんばりましたね…ありがとう」
翔「 そのせいで『愛想のない子供だ』って。ますますお母さんが たくさん嫌み言われたから… 天国で再会したら『ごめんなさい』と謝りたいんだ… 謝らない内にお別れしてしまったから」
智「翔…」
和也「翔ちゃん…」
翔「もう二度と、後悔しないように、大事な事。いろんな事。きちんと話す事にするね。今回みたいに、僕が何も話さなかったからみんなに、迷惑と心配を掛けちやったんだもん…ごめんね。智くん、和也くん。そしてありがとう」
智「迷惑なんか掛かってないよ。翔」
和也「迷惑なんか掛かってませんよ。翔ちゃん」
智「これからは、何でも話しような翔」
和也「これからは、何でも話しましょうね翔ちゃん」
翔side
僕は嬉しくて泣いてしまったんだ…
本当にありがとう智くん、和也くん…