蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第550章 秘密の館の秘密の住人2-9
村人の庭先にて
泰「確かに、智に、翔、雅紀に、和也が無邪気に遊んでいる姿を見ていると、やさぐれそうになる心が、洗われる感じがするな」
潤「そうでしょう?兄上」
「お館様、潤様。翔ちゃんが元気になってぐれで、ワシら本当に嬉しいですだて」
「本当だべ… あんな思いづめた顔の表情の翔ちゃんは、二度と見たくないべさ」
泰「お前達…ありがとう。感謝するのはこっちの方だ。 そなた達が知らせてくれたから」
潤「兄上の言う通りだ。このまま気付かずにやり過ごしていたら…そう思うとゾッとする …そなた達のおかげだ。本当にありがとう」
村人達「お館様…潤様。智坊っちゃん、雅紀くん、翔ちゃん、和也くんはワシらの村の者にとっても宝物ですだで」
宝物… その言葉に、兄上は、溢れる涙を指で拭っておられて…私も本当に嬉しかったんだ
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泰「潤… 今年の 11月智が。12月には、雅紀が二十歳になる。和也は、来年の6月に二十歳。翔は…来年の1月に十八になる… 本当は、特に決まりはないがな…十八過ぎた頃から少しずつ、私と潤の仕事を本格的に教えていかなければならなかったのかもしれないがな…ついな…それでも、ほとんど教えていないというのに、智は私と潤を。和也は文也を見て自分達で吸収してるしな。あの子達は。雅紀と翔も交えて 来年から少しずつ教えて行こうと思う。潤、力を貸してくれないか?」
潤「もちろんです。兄上。智は兄上が。和也は文也が。しかしあの二人は別にそうしろとも言っていないのに、お互いの仕事まで覚えようとしている所ががありますからね。兄上と文也に お願いして。私は雅紀と翔に少しずつ伝えて行く事にします」
泰「ありがとう。それから跡継ぎ問題だが…もし、将来的に跡継ぎに恵まれなかった場合。結婚なかった場合。様々な事情をきちんと想定して…私達の一族として仕事を手伝ってくれている、智知の兄上の子供…智にとっては従兄だが、その子に跡を継いでもらう事…を考えたのだ。それはこれから相手方にも伝えなければならない事だし。全くの第三者の跡継ぎでも構わない。 とにかく、何が何でも子供達に後を継いでくれ。などと言うつもりは、私は毛頭無いんだよ…潤も、心に留めておいてくれ」
潤「承知しました。兄上」