蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第546章 秘密の館の秘密の住人2-5
現在
翔side
翔「いいや、開き直って秘密の扉から帰ることにしよう…」
なんかずっと独り言を言ってるなぁ僕
そんな事を言いながら急階段を登って、鍵穴に鍵を差し込んで…
和也.智.雅紀side
バカみたいに 3人して、持ち主不在のベッドに横並びに座ってた
(私.雅紀様.智様の順で)
雅紀「ねぇ、なんか音しない?」
智「するな」
和也「階段を上がって来てますね」
慌てて3人してベッドを降り
-ガチャ-
智.和也.雅紀「翔(ちゃん)!」
翔side
え?
智くん、和也くん、雅紀くん?
何でみんな揃っているの?
雅紀「翔ちゃんっ何で、離れに遊びに来てくれなくなったの?」
(もう隠れて逢う必要無くなったのにっ)
智「翔っ、何で逢いに来てくれなくなった?」
(兄弟仲良く…お互いに『いつでも行き来しよう』って約束したじゃないか…)
和也「翔ちゃんっ、『遠慮しないで行き来しましょう』って…」
(立場とか垣根を無くして『付き合って行きましょう』って約束したじゃないですか)
背中でみんなが口々に言うのを聞きながら、 ベッドの扉を閉めて…
しばらく振り返るのが怖くて、ジっとしてたら
ーコンコンコンコッー
そんな時合図が鳴ったんだ
翔「潤さん…」
僕が呟くと
雅紀「ぇ?潤おいちゃん?」
智「叔父上?」
和也「潤様?」
みんなもちっちゃく呟いて
潤「翔! 『ねぇキミ達、僕…ここにいて良い人間だと思う?』ってどういう意味だ?」
そう言いながら階段を登って来たのは潤さんで
(何で?)
-ココンココン-
扉は開いているから、脇の壁を叩いたの?合図して、続いて登って来たのは…
翔「父様…」
一様に険しい表情してるの、みんな…初めて見る表情
泰「翔?私と、潤は怒っているんじゃないよ?」
潤「翔…済まない…責めるような口調…村人が『翔ちゃんが心配だで、お伝えしに来ましただ』って館まで来てくれたんだよ…」
和也.智.雅紀side
雅紀
翔ちゃんは可愛い顔して、頑固さんなんだよね…けど瞳に涙溜めてるの
智
翔は頑固さを発揮して、口を割らなかったんだ…瞳には涙浮かべてるのに…
和也
それでもちいちゃな声で、『僕じゃ…跡継ぎの問題で困る事になるでしょ?』って