• テキストサイズ

蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )

第545章 秘密の館の秘密の住人 2-4


翔side

-翔が村に出かける前-


翔「…たまには出かけてみようかな…」

全然一人遊びも苦じゃないし、本を読んで過ごすのが大好きだけど

時には外に出ないとさすがに気分が鬱々しそうだし

--

泰『翔危ないから、ベッドの下の出入り口 を使うのは辞めなさい。と、いうより私と、親子の名乗りをしたのだし新しい部屋に移らないか?』
--
ありがたかったけど、僕はこの『秘密の部屋』が気にいっていたからね。移る事は断ったんだ

ベッド下の秘密の出入り口からの出入りは、急階段で確かに落ちそうで怖いんだけど…

翔「スリルがあって、案外気に入ってたのに気付いちゃったんだよね…」

秘密の出入り口からの出入りがダメになったから

部屋にある扉を開けて浴室の脱衣場に出て、扉から廊下に出た後階段から階下に降りる

"普通"のルートになっちゃったんだよね…


今日は、どうしても秘密の出入り口から外に出たい気分


ベッド脇の子箪笥から、鍵を取り出してベッドの上の布団を捲って鍵穴に差し込んで

カチャッと開くと、ベッドの中間の部分、人が一人通れる位の… 正方形の空間が

そこからなら、階下の台所脇の勝手口に着くから人に見られる事もまれだし…

もう一つ。部屋の真ん中の出入り口は、時間短縮の為に、智くんの部屋と、和也くんの部屋の間、互いの部屋に行ける抜け道に着くんだけど

石造りの薄暗い階段を降りると壁があって開けると、人一人入れる狭い空間…

壁の表は本棚になってんの…表からはその本棚を奥へ押すと、僕の部屋に着く仕組み

そのルートも魅力だけど、智くん、和也くんに出逢うかもだし…

ベッドの扉を開けて、階下におりて…

美貴子『まぁ、翔ちゃん』

…見つかっちゃった…

翔『美貴子さん…あのね…』

美貴子『分かっておりますよ。お館様や、智様、和也くんには内緒に致しますから。お出かけなさるのですか?翔ちゃん』


美貴子さんは、僕が一年前にこのお屋敷に来てからずっと優しくしてくれている

亡くなった僕の母親と仲良かった女性(ひと)。大好きなんだ

翔『ありがとう美貴子さん。村に行ってくるね』

僕は、心の中に何か引っ掛かり、苦しい時に村で暮らしているニワトリに聞いて貰うようになっていたんだ…



/ 1063ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp