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蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )

第536章  夢でしか逢えない2-12


ソファーに膝を抱えて顔を埋めてい翔ちゃん。頑固な翔ちゃんの事。こりゃ長期戦かな?って思ってたら…

翔「僕の母親は、未婚で僕を生んだでしょ」

悲しい過去の事を話始めた翔ちゃん

サトシくんと、カズくんには、誤魔化しは効かないって思ったんだ

智.和也「翔ちゃん…」

翔「母さんはずっと一人で頑張って来たんだ。他人がとやかく言う事なくない?」

ホントだよね。翔ちゃん

ホントですよね。翔ちゃん


翔「つい最近ね。潤ちゃんの又聞きだけど、ご近所さんにとやかく言われるようになった理由聞いたの。僕が4歳で潤ちゃんが6歳の時にね…」

翔ちゃんと潤くんが喧嘩で、それぞれの同い年の兄弟を泣かせた話をしてくれたんだ

翔「それ以来伯母ちゃんが浮気して伯父さん出て行った…とか。僕の母親は僕を置いて出ていった理由が、男だ。とか噂を流されたんだって。いつのまにかその噂の方が真実のように思われていったって…潤ちゃんね、嘘が本当の様に言われてるかが気になって伯母ちゃんにしつこく聞いたのを後悔してた。可哀想に…」

智「本当に腹立つ…」

和也「何なんですかね?下らない」

翔「伯母ちゃん、丁寧に謝ってた。 僕その話を聞くまで忘れちゃってたの。聞いた瞬間にその時の光景が蘇って来たんだ。その家の母親が凄い剣幕で伯母ちゃんを怒鳴り散らしてたの思い出したの。僕それが怖かった…」

翔ちゃんと潤くんの心の中にある、どこか人を信じられない事への原点がその出来事にあるんじゃないか…って思ったんだ


翔「皆、僕と潤ちゃんとは遊ばないって言ったじゃない…折角、 仲良くなれた。と思ったら、急に手のひら返してさ…僕が望んでも皆離れてく… 母さんだって…僕を置いて行ってしまったじゃんか…貧乏でも一緒にいて欲しかったのに。潤ちゃんも、伯母ちゃんには、言えなかったって。俺の為に彼氏と別れて後悔していないのか?って…僕達は、大切な人を傷付けてばかりなの。僕がカズくんと、サトシくんと暮らす様になったら、甘えてしまって。頼りきってしまって、もう二度と手放したくないって思っちゃうもん。いつか離れ離れになる日が来るかもしれない… そうなったら俺…駄目になっちゃうもん。それが分かってて、一緒に暮らすなんて出来ないもん」


智「翔ちゃん。オイラはずっと、傍にいるよ」

和也「翔ちゃん。俺はずっと、傍にいますから」
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