蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第535章 夢でしか逢えない2-11
潤「俺の父親は、俺が二歳の時に交通事故で亡くなったでしょ」
雅紀先生には、誤魔化しは効かないって思った
雅紀「潤…」
頑固な潤の事。こりゃ長期戦かな?って思ってたのに…悲しい過去の事を話始めた潤
潤「翔の母親は未婚でさ。母さんは、女手一つで俺と翔を育ててくれたんだ」
雅紀「うん」
心が痛かった…
潤「母さんが、父さん以外の男性と付き合う事さ。他人がとやかく言う事なくね?だって、一人なんだもん」
ホントだよな。潤
潤「つい最近さ。母さんが教えてくれたの。ご近所さんにとやかく言われるようになった理由。俺が6歳で翔が4歳の時に、ある家の、 俺達と同じ歳の兄弟と喧嘩して、俺と翔が、泣かせたんだって。それ以来…母さんが浮気して父さんが出て行った…とか。翔の母親も、翔を置いて出ていった理由が、男だ。とか噂を流して。いつのまにか、その噂の方が真実のように思われて行った…って…母さんから話したんじゃないよ。何でここまで、嘘が本当の様に言われてるかが気になって、俺がしつこく聞いたの。母さんは、本当話したくなかっただろうに…」
雅紀「本当に腹が立つな…」
潤「母さんは、丁寧に謝ってくれたんだよ。 俺その話を聞くまで忘れちゃっててさ。聞いた瞬間、その時の光景が蘇ってさ。その家の母親が凄い剣幕で母さんを怒鳴り散らしてたの思い出したんだ。俺それが怖くて…」
潤と翔の心の中にある、どこか人を信じられない事への原点がその出来事にあるんじゃないか…って思ったんだ
潤「皆、俺と翔とは遊ばないって言ったじゃないか…折角、 仲良くなれた。と思ったら、急に手のひら返し、してきたり… 俺は、大切な人を傷付けたんだ。俺が望んでも皆離れてく… 俺が雅紀先生と暮らす様になったら、甘えてしまって。頼りきってしまって、もう二度と手放したくないって思っちゃうもん。いつか離れ離れになる日が来るかもしれない… そうなったら俺…駄目になっちゃうもん。それが分かってて、一緒に暮らすなんて出来ないもん」
雅紀「潤。俺はずっと、傍にいる」