蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第534章 夢でしか逢えない2-10
翔side
定期歯科検診の日
「翔ちゃん、智くんと和也くんが『もっともっと自分達に色々話してくれたら良いのに』っておっしゃってましたよ」
2年前の歯の治療の時以来、親身になって、僕と潤ちゃんに良くしてくれる歯科衛生士の弥生さん
翔「弥生さん。サトシくんとカズくんは『高校卒業したら一緒に暮らそう』って 言ってくれてるけど。僕、色々な事がダメになっちゃいそうで辞めた方が良いかな…って思ってるんだ」
智.和也「翔ちゃん?どうして?」
どうして?ってサトシくんとカズくん…
仕事終わって、私服に着替えたサトシくんとカズくんで
そうだよね。待合室で話してたら聞かれちゃう確率が高いのにね…
弥生「三人で良く話し合ってくださいな。 いつも通りに、私が戸締りをして、鍵を掛けて帰りますから。心配いりませんよ」
弥生さんに…気を使わせちゃった…
逃げられなよね…
二人に付いて2階に上がりながら
僕は何て話そう…って思ってたんだ
--
雅紀side
雅紀のアパート
ようやく来てくれた潤は
潤「オンライン授業だと、どうしても分からないトコをその場では質問しづらくて…昨日ちょっと、遅くまで勉強したから眠くて…」
そんな事を言ってさ。 確かにすげぇ眠そうにしてるくせにさ
今だって、パソコン開いてんの
雅紀「少し眠れよ。潤。 頃合い見て起こしてやるから。な?」
それでも、なんだかんだと言っていた潤
ついに、限界が来たのか。パソコンで何かを検索しながらウトウトしだして…
俺は、潤から ノートパソコンを離そうと…
雅紀「ぇ? 何これ?」
潤が、目を覚ますまで俺は、嫌な予感とかに苛まれてた
潤「あれ?」
雅紀「潤、うたた寝し始めたからさ、ソファーに寝かせたんだよ…起きがけに悪いけど…不動産の物件情報なんて、何で見ていたの?」
潤「雅紀先生?」
だってさ。大学の課題をしなきゃ。ってノートパソコンを開いてたんだよ?
雅紀「もし、俺が一緒に暮らさないか?って誘っているから、物件を探しているとしたら『大学の課題をしなきゃ』なんて言う訳ないじゃん?」
やべぇ
って顔しながら
なんて俺に説明しようか?って表情している潤…
潤「俺、色々な事がダメになっちゃいそうで…」
何で?潤?