第315章 涼やかな風.美しき優しい華(花)たちへ10

　智「翔センセは、世界に羽ばたく様なパティシエになってるだろうから。オイラが学校卒業して、何年修行したらもう1度お会いできるんだろう？って思ってたんです」

和也「うん。俺も… 翔センセのお考えがあって、この先生という道を選ばれたんだから。そこに関しては何も言う事無いです。俺と大野さんが勝手に思い込んでただけだから…」



和也.智「けれど…こんなにも情熱をもって、俺達、生徒に教えて下さっているのに。それを邪魔するようなヤツが!俺(オイラ)達は許せないんですよ!」


翔「そんなに泣く程の事かよ… けど、ありがとう。俺の小さなプライドの為、頓田先生の理不尽な言い掛かりに、ついね？それより、二宮と大野も気付いていない生徒達にわざわざ教えてやんなくても良かったんじゃないか？資料通りに作らせるのもさ。資料というだけで、信用するな。自分で感じる力。を持たせるのも… 手だとは思ったんだけどな…」

和也「今のご時世、そう素直に受け取ってくれる人ばっかじゃないですもん…」

智「皆、自分の事ばっかすよ？そこに親まで出て来たら…収集付か無くなりますって…」

翔「確かに面白かったな(笑)。生徒数が35人で、どうしても『1グループ5人』の所が出来るからね。それなのに、男子が一人休んだから『自分達は女3人で、男子が1人なの!二宮くんか大野くんウチラのトコ来て!二人が一緒のグループなんて!そのグループばっかり得じゃない!平等にしてよ!」

智「良いけどさ… 女の子って何ですぐ忘れるんですかね？前回の実習の時も、オイラ達、一人一人バラけましたよね？」

和也「ただ、班分け前にちょっと話ししてただけでさ。俺達は、一緒のグループだって。思い込みが激しいから… 」

翔「全くだ。実習毎に『二人はバラけて。各班平等に回らせる事にするから』って決めたはずなのに… ねぇ？」