蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第309章 涼やかな風.美しき優しい華(花)たちへ4
2018.11
翔side
2005.11 翔 6歳11ヵ月
翔『僕ね!大きくなったら、ケーキ作る人になるの!』
翔花(しょうか)『翔ちゃん、ママすごい楽しみだわ!翔ちゃんのパパは… ケーキを作る人… パティシエになりたい人にケーキ作りを教える先生なのよ!』
雅紀『僕は、ケーキ売る人かな』
潤『オレも、ぱてしぇになりたいな』
紀南(きみ).潤湖(じゅんこ)『楽しみねぇ』
--
2018.11
-翔の部屋-
(夢か…)
もう何が本当で… 何が嘘か… 分かんなくなっちゃったよ…
--
-その頃のリビング-
翔花『あれから13年… 早いわね…』
紀南『私は、夫と死別して…』
潤湖『私は、離婚して…』
翔花『女3人シェアハウスして。良くここまで持ったわよね…』
翔花.紀南.潤湖『子供達がいたからよね… 私達の大切な宝物… 愛しい子供達の…』
--
-洗面所-
雅紀「おはよう。翔」
翔「おはよう。雅紀にぃ」
雅紀「母ちゃん達、すげぇ昔話で盛り上がってるよ」
翔「そうなんだ… あ、雅紀にぃ。俺さ、美優花と来年の1月に結婚するから、この家出て行くね。それと、製菓調理専門学校の講師になる事も決めたから」
雅紀「は?翔?何言って…」
翔「来年の3月、専門学校卒業だし。家庭を持つならさ、将来の無さそうな店に就職するより、安定した生活の見込める専門学校の講師になろうかなって」
雅紀「翔… まだ19で1月で20歳… 早すぎる… じゅ、潤が悲しむし、心配している。アイツ可哀想じゃん!」
翔「雅紀にぃ、潤にぃが海外行って悲しいのは、雅紀にぃでしょ?それに俺は、潤にぃから一言も聞いてないしね。まあ、聞かされても困るんだけど… 潤にぃに伝える事があるのは、雅紀にぃの方でしょ?」
雅紀「翔…」
翔「雅紀にぃ心配しないで。俺、少し自分の事を見つめ直して考える時間が欲しいんだよ。心配掛けてごめん。あ、雅紀にぃに教えてもらったさ接客の心得?お客様の一言を噛みしめて、伝えて来られた情報を『会話の中にさり気無く織り交ぜる』のしたらさ、上手く接客出来たんだ。ありがとね」