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蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )

第271章 追憶のキミ 34


 -北の対の屋- 翔の部屋

和也「翔若様、昨日の続きから話ししますね」


 和也side


 翔若様が生きておられるだけで… 私はもう

 あの日天守閣の階段より、転落させられた翔若様

 あの日の怪我が元で、左足を痛め、引きずって歩く事を余儀なくされ

 最大の症状として、前日の出来事を、朝になると忘れておしまいになる様に

 しかし、前日の出来事を少しずつ伝えると、起こった事として認識されるので私は、根気強く伝える事にしている


翔「和也。ソナタの作る話はとても面白いな」

和也「翔若様が、私の作る話を面白いと、褒めて下さるので作るのが楽しいんです」


 そして、四六時中、私は翔若様のお近くにお仕えして

 日常の生活のお手伝いを許された事が、何よりの幸せだった


 そして、私を許し、翔若様の傍に仕える事を許して下ささった櫻の方には、感謝かしかないのです



 -作業小屋-

 智side


智「ハハハ。翔若君、それではデコボコの壁が出来上がりますよ」

翔「私は職人になる才能は無いようだ」


 あの日、天守閣階段より転落させられた翔若君

 その後、櫻の方様に、翔若君付きの家臣に取り立てて頂いた私は、幸せだった


 左官の仕事、庭園を整える庭師の仕事等、私に 合った仕事を、与えて下さった櫻の方には感謝しかなかった

 今も、翔若君が

翔「漆喰の壁塗りをしてみたい」


 と言うので、道具等を置いている小屋で、練習用の板に、漆喰を塗る作業をして頂いたのだが

 中々の不器用さで…

 こんな風に、穏やかな時間を過ごすのが、私の幸せだった


 

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