• テキストサイズ

蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )

第262章 追憶のキミ 25


 -西の対の屋-

雅紀「今日も伯父上に、跡継ぎ云々という話を延々と説かれたぞ… 潤」

潤「雅紀様…」

 (側室の蘭の方のお産みになられた雅紀様に、正室の櫻の方様のお産みになられた翔様… 二人の 若君と、それぞれの母君達が特に跡継ぎという事に拘っていないのに。周りの家臣同士の愚かな争いで…)

 (私は、翔の若君を差し置いて父上の跡を継ぐ等は思いもよらぬ事なのだ… 私が、一月(ヒトツキ)先に産まれた… 等と… 訳の分からない理屈を言って来る伯父上が… 理解出来無かった)


-城のとある場所-

翔「智、私にも漆喰を塗らせてくれぬか?」

智「無理だな… 翔殿」


(このお方は、翔と名乗られたのだが… どこからどう見ても身分の高い、お方にしか見えないのだが… 本人曰く『違う』と…)

(智… この優しき、智という、二十歳の左官職人と話する事が… 私の密かな楽しみなのだ… 日頃のウサを忘れさせてくれる…)


和也「翔若様ー?どちらにいらっしゃったのですかー?」

翔「不味い… 和也だ」


(そしてもう一人… 私の思いを誰よりも理解し、受け止めてくれる… 和也… 信頼する一つ下の十六のお小姓…)


智「お迎えか…」

和也「あ、いらっしゃった… 良かった… 翔若様!」

(翔若様か…  やはり身分のお高い方だった… 三つ下十七の、美しく、気高い、賢そうなお方… そして。和也…十六ね…)
 

(翔若様が、最近出逢われた二十歳の左官職人… 智…か…)



/ 1063ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp