蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第257章 追憶のキミ 20
翔side
何が起きているの?
お客様は、ツアーのお客様、個人のお客様。お城への思いが強い方達だからね。少しくらい、他の人が不思議な動きをしていても、特に気にかける人達はいなかったのに(見学に夢中で)
けど… さすがに皆が怒り出すのも無理は無いよね?
先輩のしたい事が分からない… だって、天守閣の最上階から下の階に降りる人達を、数人のグループに分けて降ろすトコまではいいけど
前のグループが、階下へ降りて… 普通に考えて次のグループを誘導しなきゃなんないんだよ?
なのに一向に
「次のグループの方、階下へ降りて下さい」
の、指示を出さないんだもん…
「どうなってんだ?」
って怒り出すお客様も出て来て…
皆がそれぞれ、いつもより緊張した表情でいるのって…
先輩に関係あるの?
そうこうしているウチに、遂に二人のお客様が
「俺が先に降りるんだって」
もう俺も、我慢が出来無くなってた…
その直前に、先輩が大野さんに
「アンタの親方に仕事サボってるって、報告しますよ」
って言ったから
智「休憩中ですから」
そう答えた、大野さんの表情が凄くムってしている様に見えて… 尚更、我慢出来無くて…
翔「お客様、大変すみませんでした。どうぞ当初のグループ分けした通りに、誘導し直しますから。落ち着いて順番にお願いします」
俺は、つい先輩の指示を無視して自分で、指示 出してた…