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蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )

第247章 追憶のキミ 10


 雅紀「大野さんか。3人の視線の内の一人は。だとしたら、3月の初め、お城で互いの存在を認識した時、何か不思議な事起きなかった?」

智「…起きた。あの中に大勢の人がいたのに。オイラは、その時公園で絵を描いていたんだよ。なのに桜の下に居た翔くんだけが目に入って。泣いてるように見えたんだ。翔くん。その瞬間、ヒュルリって風が吹いて。視界の隅に相葉くんも見えたんだ」

雅紀「同じだ。俺はトイレから戻る所で風が吹いて。確かに何百人もいた中で、面識も無い、互いに誰って認識する前の大野さんが… 翔ちゃんの先… 芝生に座ってたの覚えてる」

智「あの時の事、いつか聞いてみようかと思ってたんだけどさ。聞けなくて… でも不思議な力で引き合わされているんだ… って今日確信した」

雅紀「俺も… もう一人の。俺の通う高校の二宮センセにも確認したら、同じ体験してたんだ」

智「相葉くん、もう一人いるだろう?同じ体験した人?」

雅紀「…大野さんも感じたんだ… そっか。大野さんなら翔ちゃんを… 大野さんの気になっている翔ちゃん。1年半前に交通事故にあったんだけど… 特に脳が傷付いたとかじゃないのに… その時から、朝になると前日の記憶がリセットされるようになっちゃって… だから… 心配で堪らないんだ…」

智「何だよ… それ?」

 



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