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蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )

第246章 追憶のキミ 9



 雅紀「二宮センセだったんだ?3人の視線の内の一人は。だとしたら、3月に、初めてお城で互いの存在を認識した時、何か不思議な事起きなかった?」

和也「…起きた。あの中に大勢の人がいたのに。俺は、その時天守閣にいたんだよ。なのに桜の下に居た翔くんだけが目に入って。泣いてるように見えたんだ。翔くん。その瞬間、ヒュルリって風が吹いて。視界の隅に相葉も見えたんだ」

雅紀「同じだ。俺はトイレから戻る所で風が吹いて。確かに何百人もいた中で、教師と生徒として会う前の、互いに誰って認識する前の二宮センセが… 翔ちゃんの先… 天守閣に居たの覚えてる」

和也「何回もあの時の事、相葉に聞いてみようかと思ったんだけどさ。聞けなくて… でも不思議な力で引き合わされているんだ… って今日確信した」

雅紀「俺も… もう一人の。ある時はお城の修理で左官の仕事をしていて。ある時は公園で絵を描いている人にも確認してみようかな」

和也「相葉が、もう一人気になってる奴がいるだろう?髪の毛金髪にしたのも、松本先生が原因だろ?」

雅紀「…二宮センセ。イヤなヤツだな… でも。二宮センセなら翔ちゃんを… 二宮センセの気になっている翔ちゃん。1年半前に交通事故にあったんだけど… 特に脳が傷付いたとかじゃないのに… その時から、朝になると前日の記憶がリセットされるようになっちゃって… だから心配で堪らないんだ…」

和也「何… それ?」

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