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蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )

第238章 追憶のキミ 1


 2019.3月

 某地方

 とある城の 桜の木の下

《桜咲く

 天守閣よ

 夢の後

 美しき姿

 涙流るる》


 翔「早くメモしないと……」


 ……別に、短歌? とか作るのが好きな訳じゃない。これが短歌と言われる物で合ってるのかも分かんないし……

 上手く出来たっ。って思ったからじゃ無い

 この街にずっと暮らし、今、満開の桜の木の下にて、仰ぎ見ている城……

 何回も訪れているのに、飽きる事の無い

 はぁ…… お城って素敵だな

 翔「何でこんなに…… このお城に惹かれているんだろう?」

 惹かれて…… というより…… 何かの力で引き寄せられている様な……

 何でだろう? 今日は特にそれを強く感じてて

 どの季節に見ても、それぞれ味わいがある…… お城

 けど、美しき桜の季節に見るお城は……

 翔「桜って。何でこんなに綺麗なのにもの悲しいんだろう?」


 そう思った瞬間、涙が溢れてきた……

 その涙の中には、これからの人生についての不安とか…… 期待とか

 色々な物が、内混ざっていて……


 -ヒュルリ-

 ぇ? 

 風がヒュルリと泣いて

 ふゎっと、桜の木を揺らして花びらが、舞った瞬間……

(うわっ)

 城内(公園内)全体に、吹き渡る風が吹いた瞬間

 何だか分からない…… 感覚的ものなんだ……


 説明の出来無い

 様々な感情が流れ込んで来たんだ……











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