蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第239章 追憶のキミ 2
はぁ……
お城って凄いよね?
約400年前の技術でだよ?
石垣とかさ、どうやってこれ積んだんだ? とか
戦国時代真っ只中に作られた、石垣の形とか。石垣の積み方**野面積みや。***切り込みはぎ。とかさ…… 泰平の世の石垣は又、形も違うしさ
防御の為の、*狭間(さま)に、隠し部屋。柱に天井の梁
和也「ホント、何回見ても新しい発見があるよね? お城には」
3月に大学卒業したばっかで、4月から高校教師として働く為、引っ越して来たばっかりなんだけど
このお城に魅せられて、何度も通っちゃってる俺
地元にも、お城はあるし大好きなんだ……
けど…… 不思議なんだ。この城見た瞬間、何か別の力が働いて、引き寄せられたみたいな感覚があって
何なんだろう? って
今、俺
天守閣から、公園内を。大きな桜の木の当たりを眺めてたんだけど……
一人の青年…… イヤ、少年が桜の木の下、桜の木を仰ぎ見ているのが見えたんだけど……
和也「そ、双眼鏡……」
俺は慌てて、双眼鏡をリュックから出して……、
今のご時世。俺の見ていている景色。人にもし 見咎められたら
ヤバいんだけどさ…… 目が離せなくなっちゃって
和也「泣いてる?」
さすがにね? 距離があり過ぎて。当然涙なんて見えないんだよ
なんだけど
表情がさ。泣いている様に感じて
その瞬間
-ヒュルリ-
ぇ?
風がヒュルリと泣いて
ふゎっと、桜の木を揺らして花びらが、舞った瞬間……
(うわっ)
天守閣にまで吹いて来るような、風が舞った瞬間……
何だか分からない…… 感覚的ものなんだ……
説明の出来無い様々な感情が
流れ込んで来たんだ……
《イマガソノトキ》
今がその時?
何だよ? 今の……