蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第221章 ずっといっしょ…19
智「姉ちゃん、この10年、女手一つで頑張ったの分かってるけど…… 夜寝ないで働く様な生活とか…… 翔ちゃんに見せてたんじゃないの?」
和也「お姉ちゃんが頑張って来た事は凄いよ。けど、翔ちゃん。お姉ちゃんがして来た事を、自分もしなきゃ。っていう感じが…… 俺には見えたんだよね」
智絵「確かに。翔には『自分の事は自分で』って言い続けて来たけど…… 私は社会人で、給料制で働いてたのよ。あの子優先にして夜勤もした事なかったし。夜だって眠ってたわ。翔の場合学生でバイトだからこんな事になってんじゃないの! 私は『貯金を使いなさい』って言ったのよ。なのに…… 翔はきっと私の治療費とか、これからの事を考えて…… 無茶な事…… お願いよ! 智! 和也! 翔を助けて! 私が余りにも『自分の事は自分でしなければならないの』って言い過ぎたから! こんな生活してたら今にあの子倒れてしまう…… 私の太陽なの翔ちゃんは! だから……」
智「姉ちゃん…… ゴメンなさい」
和也「お姉ちゃん…… ゴメンなさい」
(本当にオイラ馬鹿だ…… 翔ちゃんを基準に考えて…… 姉ちゃんの事傷付けて……)
(本当俺って馬鹿だ。お姉ちゃんは、翔ちゃん中心の生活していた筈なのに……)
智絵「はっ…… ぐっ……」
智「姉ちゃん?」
和也「お姉ちゃん」
(か…… 過呼吸っ?)
翔side
お母さんの所行く前に、ちょっと休もうって思って少しウトウトしたら時間が過ぎてた
急いで自転車漕いで……
-ガラ-
医師「もう大丈夫です。呼吸も治りましたし」
翔「お母さん!?」
智「翔ちゃん? あのゴメンね。姉ちゃん鎮静剤打ってもらって落ち着いたから…… あのね……」
和也「翔ちゃん? 大丈夫? ビックリしたよね?」
サトシくんと、カズくんが何か言ってる……
けど、僕の目にはお母さんが目を瞑って もう……
翔「お母さん!」
瞬間…… クラって目眩がして…… 目の前が暗くなって……
お母さん僕を一人にしないでっ……
智.和也「翔ちゃん? しっかりして!」