蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第180章 エースの涙 7
開き直って右打席に入って。バット振った瞬間さ
ーカキーンー
智「当たっちゃったよ」
本当にヒット性の当たり打っちゃった。で。一塁に走らなきゃなら無いんだけどさ
翔「ナイス!ヒット!大野?」
どうやら、オイラ達の事チェックする為にビデオを回してたみたいでさ。櫻井先輩……
オイラさ、塁の方へ向かって走ったんだけど
翔「アハハハハハ!」
次の瞬間大爆笑した櫻井先輩
ナンか…… それとは対照的に他の部員達はザワザワしていて
そりゃオイラだって色々考えてはいるんだよ? まぁ、深く考えてるか?って言われると自信ないけどさ
(やっぱ。間違えたんだ)
それを見て、一部の先輩達が変な目でオイラの事見てるのは感じたしね?
翔「大野笑ってごめん。野球の経験無いの?」
智「はい。櫻井先輩……」
翔「そうなんだ。けど野球部に入部嬉しいよ。ありがとう」
智「櫻井先輩。あの、ここは本当は何塁何ですか?」
オイラがそう言った瞬間
櫻井先輩、大きな瞳を益々大きくしてさ。オイラの事見つめて
翔「ゴメン笑わせて…… アハハハハ! 三塁かな?」
一言断ってから、大爆笑をさ。櫻井先輩
そん時さ。笑い上戸なんだって
櫻井翔の
イメージが付けられたんだと思う
櫻井先輩のお陰か。皆も笑い出してさ
潤「面白いな(笑)大野。けど、野球の経験無いのは全然構わねぇんだから。今度からは何でも俺とか翔に話してくれ。キャプテンは俺で、副キャプテンが翔だからさ」
智「はい。すみませんでした。ありがとうございます松本先輩」
オイラね。人にあんまりゴチャゴチャ言われたりとかすんの。好きじゃ無くてさ
けど素直に嬉しくて
翔「それじゃあ。先ずは簡単な事から教えるからさ。俺に少し大野の時間頂戴?」
凄いよね? こんな洒落た言い回しでさ。全然偉ぶらないで
翔「で、キャッチャーから見て、右からライト、センター、レフトOK?」
智「はい。OKです(笑)」
翔「大野と二宮。すげぇ部員が二人も入って来てくれて。嬉しいな」
二宮か……
確かに…… 彼凄い逸材だよね
櫻井先輩が気に掛けていると言う
二宮和也という人間
オイラの中でも意識しだした最初の日だと思う