蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第181章 エースの涙 8
和也side
その日から俺、練習出るのが楽しくてさ
翔「二宮、投球の時の上半身のある部分を改善するだけで、全然違ってくるんだけど。どこだと思う?」
和也「右手? 櫻井先輩はボールが手元を離れた瞬間、グローブを嵌めた左手を胸の前でギュっと抱え込むようにしてんのに…… 俺は時々、右腕(俺左利き)がダランってなっちゃってる。ってゆうか…… 気付いてはいるんです。癖みたいになっちゃってるって言うか……」
櫻井先輩。アドバイスくれる時は、ご自分のと比較しながら、映像とかで見せてくれるから、凄い分かり易いんだよね
翔「自分の癖が分かってるなら大丈夫だ。けど、なるべくそれを意識して投球練習をしてみ? 抱え込んだ状態から、身体の左横に抜ける当たりを取る動作と、ダランとした状態からの動作では?」
和也「胸の位置からそのまま、左斜め下にグローブ出しやすいけど…… ダランとしてたら、少しでも反応遅れたらボールを取りに行けそうにないですね…… 櫻井先輩? 何他のトコ取ってんすか?」
翔「アハハ。ゴメンゴメン…… ナンか。ちょっとね……」
そう言葉を濁した櫻井先輩。俺その事について深く考えたりしなかったんだけど
後でね。櫻井先輩みたいに、色んなトコにアンテナ張って目配りしなきゃいけないんだって
思わされる事がさ……