第178章 エースの涙 5

　智side

　オイラ、相葉先輩と同室なんだけどさ

　普通、一年と三年が同室って聞いてたのに。オイラは、何故か二年の相葉先輩とさ


　オイラ思った事を、中々口に出して言うのが得意じゃなくてさ

　でも、すげぇ顔に出てたのか


　雅紀『翔ちゃんね。一人部屋なんだ……　今年は一年が一人少なくて、二年でも、一人部屋の奴もう一人がいるんだよね……　三年にも……』


　入学して、初めて、寮の部屋で挨拶をした時に教えてくれたんだ


　そういった時の、相葉先輩の表情がとても苦しそうに見えて

　とても理由を、聞けるような雰囲気じゃ無くてさ

　──-

　練習終り

　-風山寮-

　1階13号室


　雅紀「いやー、今日も練習楽しかったね？」

　智「そうですね」


　いつも元気な、相葉先輩

　初めから、俺に凄い優しくしてくれて、いろ色々話し掛けてくれんの


　雅紀「大野、翔ちゃんが『すげえ、面白い逸材が入って来たよね？』って言ってたよ」

　智「マジっすか？」


　オイラ、いっつも『テンション低いね？　『眠そうな顔だね？』

　とか言われるんだけどさ


　嬉しくて、思いっきりテンション上がっちゃって

　雅紀「ハハハ。ほんと面白いよね？　大野って。俺、大好きだな」


　そんな風に、言ってもらえて嬉しかったけど……


　でも、櫻井先輩にそう言って貰えた事の方が、オイラにとっては……


　オイラ初めて、櫻井先輩と話した時の事を、思い出したんだ