第164章 秘密の館の秘密の住人 14

　翔ちゃんと雅紀様が拐われた？　

　私は激しく動揺してしまって ……しかし智様は動揺されているだろうに……

　智「美貴子さん…… 父と対立関係にある者達って言ったよね？　そいつらの常套手段は情報を得る為に、その人の弱みを突いて来る所だ…… 誰かが何か脅されたりしたのだろう…… 怖い思いさせて本当にすまない……」

　智様……

　和也「吾妻さんは悪くないですよ。そいつらが悪いんです。智はお優しい方です。このお屋敷で働いている貴女達が傷付けられるのが、何より許せない御方です。智様は……」

　智「和也代弁してくれてありがとう。美貴子さん、いつも翔や、雅紀に良くしてくれてありがとう。貴女を報復とかで傷付け様としたら、決して許さないから。今回の事を企てた者達も必ず罰する!　約束する!　翔も雅紀も必ず助けてみせる!」

　一刻の猶予もならない状況ではあるが、父と対立しているグループなら、なんとなく分かっていたし

　そんな確証ないはずですけど…… 妙に、私も智様も、翔ちゃんと雅紀様を、傷付けたりしない筈

　という、変な確証めいた物があって……

　しかし。実際は、翔も雅紀も傷付けられたんだけど……

　そんな時

　潤「智!　和也!　兄上の所に、とある場所へ来る様にと指示が来た!　私も一緒に行く!　二人も行くか？」

　和也.智「行きますっ!」

　美貴子「智様、和也くん。翔ちゃんと、雅紀くんを宜しくお願い致します」

　潤叔父上が飛んで来て…… 私と和也は、美貴子さんに、心配ないと伝えると

　車寄せに向かい

　そこには



　智「父上……」

　和也「父さん……」

　顔面蒼白の二人が待っていたんだ……