蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第157章 秘密の館の秘密の住人 7
私と智様は、理不尽な事を…… 特に人から理不尽な目に合わされるのが、とてつもなく嫌いなんだと思います
それは、潤様も同じで
恐らく、一見、天真爛漫な感じに見えて雅紀様も同じだと
私は思っているのだけど…… フト、私は
和也「智様? 半年前から、翔様はあの秘密の部屋に住まう様になった…… と仰いましたね?」
智「叔父上の話では、自分達と同じ様に、誰もその存在を知らない場所に住んでいた…… という事らしいけど。半年前から? どういう事だ? 和也」
和也「智様、軽々しい事は申せませんが、お館様に何かしらの理由があって。半年前に、智様、潤様と雅紀様。そして翔様。皆様揃って、今の場所に住わせたと言う事では?」
智「フム、教えてくれるとは、到底思えないが…… 父上に聞いてみるか……」
和也「私も父に聞いてみます。きっと、何かしらの事情知っている筈ですから」
智「話を変えて良いか?」
和也「どうぞ」
智「翔の存在を、話している時点でバラしている様なものだが、そなたもずっと翔と?」
和也「ハイ。恐らく智様と同じ。それこそ半年前から翔様と時折……」
智「あの子はどこまで知っているのだろう? いつも、屈託のない笑顔見せてはくれているけれど……」
和也「分かります。あの笑顔の裏に、本当は何を思っていらっしゃるのか…… 私もいつも心配しているのです」
智「それに。叔父上の話では、翔の部屋には、もう一つ出入り口があって、そこを通ると叔父上のの離れに着くらしいんだが……」
和也「成る程…… という事は雅紀様とも交流があるということでしょうか?」
智「いつもだいたい、夕方頃に会いに行っていたのを、ちょっと時間をずらしてみようか?」
和也「そうしたら、もしかしてお部屋に居ないという時も…… あるかもしれませんね?」