第158章 秘密の館の秘密の住人 8

　人というのは、秘密の関係…… とか、秘密の場所…… というのが大好きな性分ですよね

　私はどこか、この状況を楽しんでいるのですから……

　まあ、私は、人に

『策士になれるのではないか？』『食えない性格をしている』

　と、人に良く言われているのだけども


　私は、はっきり言って退屈な。この屋敷の窮屈さに閉口していたのだが

　秘密の関係…… とか、秘密の場所…… を凄い楽しんでいる自分がいて

『一筋縄じゃいかない』『頑固な性格だ』

　と、人に言われているのだが

　私も、智様も、分かっています

　我々と違って、実直でお優しい潤様が

　私や、父と違って実直で優しい叔父上……

　翔を

　翔様を


　どうか救いだしてあげて欲しいと

　その為に、バレたりしたら自分の命の保証も無いというのに。リスクを背負ってまで……

　教えてくれたのだと

　それは重々承知していて

　叔父上を。雅紀も

　雅紀様も必ず…… 潤様と共に

　お二人もお救いになりたい。と智様の想いは痛い程伝わって来て

　和也は何も言わなくても、私の思いを汲んでくれて

　智「翔は、1月25日生まれの17歳。私より1年と2ヶ月、年下なんだそうだ……」

　和也「そうですか？　私と、翔様は、私の方が半年年上…… ということなんですね？」


　私と和也は、理不尽な事が大嫌いなのだ!　こんなっ

　訳の分からない歪んだ状況!　

　私と智様は、理不尽な事をされるのが、大っ嫌い!　なのでしょう

　訳の分からない歪んだ状況!　


　必ず、翔を救ってみせる

　必ず、翔様お救い致します

　だから

　もう少し待っていてくれ。翔……

　もう少し待っていて下さい。翔様……

　智「翔の部屋は、色々カラクリがあって、食事とか必要なものは、上下する箱に乗って、運ばれてくるとこの前教えてくれたのだ」

　和也「私にもです。位置的に一階の厨房と、翔様の部屋は上と下に。お風呂も、私達使用人の浴室を使っていると思うのですが…… 中の物の配置が一致してましたし」

　智「浴室から、翔の部屋には行けるという事か？」

　和也「今度、確かめてみますか？」