蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第678章 涼やかな風.美しき優しい華(花)たちへ 2 恋人達編4
翔side
翔「待たせ過ぎて……もうそんな気持ちにならなくなった?」
智.和也「ち、違うよ! 翔ちゃん! 幸せでっ、嬉しくてっ!」
涙を流しながら。
サトには右側から。
カズには左側から。
俺の身体を抱き締められて。
チュっ
唇にキスされて……
カッと身体が熱くなって。
ずっと持たせて、 宙ぶらりんのまま曖昧な態度を取り続けて。優し過ぎるカズとサトの方からは、言い出すキッカケを失っているだろうから、 俺の方から言わなきゃって 言ったはいいけど……
翔「あ、あの、ちょ、っ待って……」
嘘じゃないんだ。そういう気持ちになったの。二人の事を意識 しているのだって。紛れもない事実で。けど……いざとなったら急に怖くなって……
智「怖いよね? ショウちゃん」
和也「落ち着いて? ショウちゃん」
チョッとパニックになって、抱きしめてくれているサトとカズの 両の腕から逃れようと。ちっちゃく暴れだした俺の背中を優しく撫でてくれながら……
その優しい瞳を、 涙をためて煌《きら》めいた瞳を見つめた瞬間、 スーっと怖いのが消えていって。
和也.智「優しく愛するから……」
俺の目にも再び涙溢れて来て。
翔「うん」
ラグの上に優しく横たえられて。( シングルベッドには三人は無理……だから)
チュっ
ピリッ
翔「ひっ」
(な、なに?)
カズとサトそれぞれに、 俺の……む、胸に口付けされた瞬間……ピリッて痺れが走ったんだ。
智.和也「ショウちゃん?」
あまりの衝撃に微動だに出来なくて。二人は心配そうに俺を見つめてて。
翔「お、俺男なのに」
和也「ショウちゃん、男だって感じるんですよ?」
智「ショウちゃんが気持ち良くなるように。気持ち込めたからね」
サラッと恥ずかし気もなく言って来てっ。
ボッ。
頬がカッと熱くなって。
翔「ばかっ、恥ずかしい事言うな!」
智「可愛いな。ショウちゃん」
和也「可愛いですよ。ショウちゃん」
和也.智「だから心配ないよ……」
(なにが心配ないんだよっ?)
訳分かんない事をっ。
再び胸に唇で触れながら……囁くんじゃないっ