蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第672章 涼やかな風.美しき優しい華(花)たちへ 2-11
雅紀side
途端にキランと、翔花おばちゃん瞳を輝かせちゃったねぇ。翔ねぇ。意外だと思うよ?
潤side
俺達は、実家でお菓子とコーヒー頂いて来たから遠慮したけど。翔の作ったチーズケーキを幸せそうに食べてる翔花おばちゃんと親父さんを見てたら、暴露大会も耐えますかね。
翔花「マァちゃんは『おさとう、たくさんいれたら、あまくなっておいしくなるよね』って、バターとかも分量を量らずに作ろうとして、潤ちゃんに怒られてたわねぇ。コツをつかんだら凄かったわ。とても上手にケーキを作り上げたのよ。潤ちゃんは、キッチリ作ろうと頑張るけど、中々思うように作れなくて。でも最後まで諦めずに、泣きながら立派なケーキを完成させたのよ」
翔汰「なるほどねぇ。翔は?」
翔side
サト、カズうんうん。て頷かないで。
翔花「翔は、不器用さんなのよねぇ。せっかく計った粉を床にばらまいちゃったり。生地作りの時も砂糖や、バターを一気に入れて混ぜようとしたり」
智.和也「今の翔ちゃんからは、あんまり想像付かないです。意外ですね」
翔「俺、子供の時は……今もだけど。短気だったのよ。自分の中の段取りがダメだ。ってなるとカッカして。訳分かんなくなるタイプ」
和也智「へぇ」
翔花「そこで、失敗した事をそのままにはしないで。何がダメだったのかを必死で考えて」
潤「俺と雅紀にぃの母さんに作り方を聞いたり」
雅紀「一語一句聞きもらすまい。って感じで一生懸命にメモして、後で綺麗にノートにまとめて」
翔汰「そこから、今の勉強熱心な翔になっていつたんだね?」
翔花「そうなの。根を詰め過ぎて心配する位にね。再挑戦して作ってくれた苺のショートケーキは、最高に美味しかったわ」
翔「母さん……」
そう言って泣いちゃった母さんの肩を優しく抱いて、何か言葉を掛けている父さん。
俺もウルっと 仕掛けたんだけど…… 何ならそこで終わって欲しかったんだけど……