蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第671章 涼やかな風.美しき優しい華(花)たちへ 2-10
翌日 の休み
翔の実家 リビング
翔side
俺にとって家族というのは、両親と雅紀にぃと潤にぃにのお母さんなんだよね。
智side
翔ちゃんの実家にお邪魔する事が決まって、オイラ、すげぇワクワクが止まんなくて。そこには雅紀さんと潤さんの他に、雅紀さんと潤さんのお母さんもいらっしゃって少し驚いたけどね。
紀南《きみ》「私は、夫と死別して……」
潤湖《じゅんこ》「私は、離婚して……」
紀南.潤湖「翔ちゃんのお母さんの翔花《しょうか》と、女3人。シェアハウスして。子供達がいたからよね…… 私達の大切な宝物が。 愛しい子供達がいたから頑張れたのよねぇ……」
雅紀「母ちゃん達、また、昔話で盛り上がってちゃってるよ……」
潤「な? 耳にタコ……」
和也side
おみやげに、雅紀さんと潤さんは、それぞれのお母さんに手作りのチーズケーキを持参したの。それに感激して。
翔「涙のスイッチが入っちゃったんだねぇ」
って、翔ちゃん。でも、お二人を見つめる瞳は優しくて。
雅紀side
紀南「『僕ね! 大きくなったら、ケーキ作る人になるの!』って可愛かったのよぉ。翔ちゃん!」
潤湖「翔花が、『翔ちゃん、ママすごい楽しみだわ! 翔ちゃんのパパは…… ケーキを作る人…… パティシエになりたい人にケーキ作りを教える先生なのよ!』って喜んで。ねぇ!」
実家にさ、お客様。 それも翔の"友達" を連れて来たらさ。オマケに翔の子供時代の話を聞きたい。 何て言っちゃったらさ。うちの母ちゃんと、潤の母ちゃんが黙ってる訳ないじゃんね?
潤side
翔の子供の頃の話には、俺と雅紀にぃも入って来ちゃうのは覚悟してたけどさ……
潤湖「雅紀くんは、『僕は、ケーキ売る人かな』って。ね。紀南」
紀南「潤くんは、『オレも、ぱてしぇになりたいな』ね。潤湖」
なんか、すげぇ恥ずかしんだけど……風も、自分の話の時は恥ずかしそうに、顔を真っ赤にして聞いてたけど。俺達の話については、ニコニコと言うか……若干ニヤニヤしながら聞いてんの。