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蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )

第667章  涼やかな風.美しき優しい華(花)たちへ 2-6


 翔side

 -児童養護施設 山風の家-

 子供達が、ケーキを前にキラキラした瞳で、笑顔で、幸せそうに見つめているのを見た瞬間。

 あぁ、良かった。って。 俺の心の中にも幸せな風が吹いたのと同時に去来したのは……

(幸せな空間を壊しちゃいけない。)


 涙が、 こみ上げてきそうになるのを必死に押しとどめて。


「こんにちは」

「こんにちはー」

翔「初めまして。僕は、フリージアというお店でケーキを 作っています。山風の家の園長先生や、先生方が、皆が日頃お手伝いや、 お勉強 を一生懸命頑張っているので、 プレゼントをしたい。という事で、僕達がお手伝いさせて頂いてケーキを届けに来ました」

 挨拶の為に俺が話し始めると、おしゃべりをしていた子供達がピタっとおしゃべりを止めて、すごい真剣に俺の言葉に耳を傾けてくれた事に、また涙腺が崩壊しそうになっちゃって……


 和也side

 翔ちゃんの声が微妙に震えてるのは……涼優花《りょうか》ちゃんと、風優花《ふうか》ちゃん。娘さん達思い出してるからだよね。

 必死に涙をこらえてる翔ちゃんを思うと、俺も心が痛くて……

和也「きょうは、苺のショートケーキを作って来ました」


 智side

智「小麦粉とかが得意ではないお友達もいる。と教えてもらったので、代わりの物で作って来ました」


 涼優花ちゃんと、風優花ちゃんを思い、苦し気な翔ちゃんにオイラ達まで泣きそうになってる場合じゃないじゃんね。


 努めて明るく説明すると。

「いただきまーす!」

 翔side

 園で一番年上の子が元気に、ケーキと共に用意された、オレンジジュースを手に「頂きます」の合図をすると。

「いただきまーす!!」

 4歳から10歳までの 年少ユニットの子供達六人と、13歳から16歳までの年長ユニットの子供達四人が。

 パクっ

 口に入れた後、一瞬間がっあった後に。


「おいしい!!」


「おいちい!!」

 満面の笑顔が弾けたのが、 すごい嬉しくて。

 






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