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鏡面【ONE PIECE】

第1章 見習いトリオ


「シャーン、バギー!」
「なんだよ」
「大声出すな……」
 相変わらず二日酔いが残っている様子のシャンクスと、朝のことを引きずっているのか不機嫌そうなバギーを気にすることもなく散らかった倉庫に入ってきたフレイア。小一時間前に見た時と何ら変わっていない倉庫内の様子に軽く溜息をつくと、2人の隣に座っておもむろに地図を仕分け始めた。
「お前仕事は?」
「もう午前のは終わったわよ。2人が倉庫整理しないってレイさんが愚痴ってたから手伝いに来たの」
「助かった。おれは寝る……」
「寝るな」
「クロさんの薬貰ってこようか?」
「あんなものは人間の飲み物じゃねェ」
 一度飲んだ時の味を思い出して真っ青になるシャンクス。バギーはあまり二日酔いが酷くない体質をありがたく思い、未だ父親の方針で酒の飲めないフレイアは引きつった笑みでシャンクスの肩に手を置いた。
「ま、二日酔いは自業自得だからサボらせるつもりはないけどね。ほら、早く手を動かす!」
「へいへい」
 渋々といった様子で手を動かし始めるシャンクスとバギーに満足そうに頷くと、フレイアも再び地図を眺め始めた。
(えっと、これは北……南……あ、ここは行ったことあるな。懐かしい。でも少し形が違うような……)
 地図の端っこに書かれた島の名前には確かに見覚えがある。しかし、こっそり散歩がてら島の外周を歩いた時とは形状が異なる気がする。
「おい、何か面白いものでもあったのか?」
「お宝の地図か!?」
「うんうん、お宝ではない。でもちょっと見てよ」
 一枚の地図を見て固まっていたフレイアの手元を二人が両側から覗き込む。
「ああ、この間立ち寄った島だな」
「そうなんだけど、なんとなく形が違う気がするのよね」
「なんだよ、形が違うだけか」
 早々に興味を失くしたらしいバギーが元居た場所に戻って行った。一方のシャンクスはじっと地図を眺めながら記憶をたどっている。
「確かに少し違うな」
「でしょ!」
「……というかお前ら何でそんなこと知ってるんだよ。その島って俺達は留守番だっただろ」
「……」
「……」
 顔を見合わせて黙り込むフレイアとシャンクスを見て、つまらなそうだったバギーが唇の端を持ち上げる。
「お前ら、またレイリーさんの言いつけ破って勝手に島に上陸してたな!?」
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