第15章 背中を追うこと、隣に立つこと
鼓舞するように叫ぶ白ひげ。そこにミレイが走り込み、白ひげを見上げる。
「動かないで下さい! 今治療を……」
ミレイが能力を使おうと白ひげの腹部に向かって手を広げると、その手を白ひげが掴んだ。目を見開いて自分を見上げるミレイに白ひげは首を横に振る。
「お前の能力、確か治療が出来るんだったな」
「そうです! だから早く」
「だったら……おれより息子達を助けてやってくれ」
「!?」
「医者じゃ無理でも、お前なら救える命がある」
白ひげの真剣な眼差しに気圧されたミレイは、唇を噛みながら手の力を抜く。そして「分かった」と答えると、一目散にモビーの船首から飛び出していった。その後を追うように、白ひげも船首から飛び降りる。
「おれと共に来る者は命を捨ててついて来い!!!」
白ひげの言葉に白ひげ海賊団並びに新世界の海賊達が叫び声をあげて再び前に進み始める。ここからが本番だとばかりに、熱気が戦場を包み込んだ。