第15章 背中を追うこと、隣に立つこと
「まったく、派手なことしてくれる」
大局を見下ろし、必要なところのフォローをすべく両手に銃を構えるレオーラ。そこら中で起きている戦闘をフォローするには手が足りないと舌打ちをこぼしながらもう、リトルオーズJr.が果敢に進んでいくのを見て、そこに照準を合わせる。
「オーズめ。仕様のねェ奴だ。死にたがりと勇者は違うぞ」
「おやっざん!! 止めねェで欲しい!! オイダ、助けてェんだ!! 一刻も早く!! エース君助けてェんだよ!!」
「分かってらァ……!! てめェら!! 尻を拭ってやれ!! オーズを援護しろォ!!」
白ひげの号令と共にクルー達がフォローに回るものの、圧倒的大きさゆえに的になるオーズ。そして七武海が前線に出てきたことにより、思うように白ひげ海賊団は動けずにいた。
「クソっ」
レオーラが飛び上がるドフラミンゴに照準を合わせて撃つも、時すでに遅し、オーズの片足が切り取られる。そんな状況になりながらも真っ直ぐオーズはエース目掛けて猛進していった。
「もう……すこし!!」
「”角刀影”」
モリアの放った攻撃がオーズの胸を貫く。あと数メートル届かなかったオーズの手が空を切り、地面へと落ちた。
「オーズ船長!!」
「ちくしょう! “七武海”の奴らァ!!」
悔しさと悲嘆が広がる白ひげ海賊団を見て、海軍は好機とばかりに攻め込んでいく。果敢に白ひげに挑んだロンズ中将は、しかし一撃で白ひげの下に沈められた。
「オーズを踏み越えて進めェ!!」
白ひげの鼓舞を聞いて再び白ひげ海賊団は進み出す。その中央で、13番隊隊長のアトモスとドフラミンゴが向かい合っていた。笑い声を上げるドフラミンゴにアトモスは「何がおかしい!?」と仲間を想い声を上げる。
「何がおかしいって!!? この!! 時代の真ん中にいる感じさ……フフフッ!! 今、この場所こそ”中立”だ!! 13番隊隊長、水牛アトモス!!」
「しまった……! お前ら、おれから離れろ!!」
ドフラミンゴのイトイトの実の能力によって操られ始めたアトモスが敵味方関係なくその刀を振るおうとする。その瞬間、鋭い斬撃が2人の間を走り、糸を切り裂いた。次いで海軍の前線を吹き飛ばすように激しい風が吹き荒れる。