第15章 背中を追うこと、隣に立つこと
白ひげの仕掛けた地震が津波となって押し寄せる中、大将の一角である青雉が飛び上がる。大きく両手を伸ばし、能力で津波を凍らせてみせた青雉は、そのまま白ひげ目掛けて技を繰り出そうとする。
「パルチザ……!!」
しかし、寸前のところで覇気を纏った銃弾が貫通し、青雉の体はバラバラになって海に落ちた。驚いた海軍達が弾の出所を辿ると、メインマストの上で銃を構えるレオーラが視界に映る。
「!? 【千里眼】!? なぜここに」
「あいつは今【鏡面】の船に乗ってるハズじゃ」
にわかに騒がしくなる海軍とは反対に、青雉が落ちた事で足場が出来たとばかりに白ひげ海賊は船を降りていく。それに対応すべく、海軍本部の中将達も前に進み出た。
前線での戦いが始まる中、それらを切り裂くように斬撃が走る。七武海であるミホークから放たれたそれは、真っ直ぐに白ひげに向かって伸びていく。それを止めて見せたのは白ひげ海賊団3番隊隊長【ダイヤモンド】ジョズだった。
そこに畳み掛けるように黄猿も白ひげ目掛けて攻撃を繰り出す。
「オイオイ……眩しいじゃねェか」
しかしその攻撃も、白ひげが対処する隙もなく青い炎によって防がれる。
「いきなりキングは取れねェだろうよい」
両手を不死鳥姿に変えたマルコはそう言って唇を歪めた。
「自然系よりさらに希少……動物系『幻獣種』!!」
「いかなる攻撃を受けても炎と共に再生する……あれが1番隊隊長……! 【不死鳥マルコ】!!」
全身を鳥の姿に変えたマルコは、黄猿の攻撃を正面から受けながらも飛び上がっていく。そして足の部分だけを人間の姿に戻し、黄猿に蹴りを食らわせた。
「ん〜これは効くねェ〜」
「ウソつけ!!」
地面に叩きつけられた黄猿が周囲に注意を促す中、ジョズが怪力を存分に発揮し、大きな氷塊を海軍に向かって投げる。それを対処したのは赤犬だった。大きなマグマを纏った拳は氷塊を溶かしただけでなく、火山弾となって降り注ぐ。いくつかはレオーラが銃弾を撃ち込み破壊したものの、それらは海賊達の船をも燃やしていった。