第15章 背中を追うこと、隣に立つこと
「うわァァァァ!!! モビー・ディック号が来たァー!!!」
「次いで3隻の白ひげ海賊団の船! 湾内に侵入されました!! 14人の隊長達もいます!!」
コーティング船に乗って湾内に姿を現した白ひげ海賊団に、海軍達は騒然となる。厳しい表情を浮かべた海軍元帥――センゴクは甲板に登場した男を見て静かにその名を口にした。
「……白ひげ……!!」
「グラララ……何十年ぶりだ? センゴク」
モビー・ディック船首の鯨の上に堂々と進んだ白ひげはニヤリと笑みを浮かべる。
「おれの愛する息子は無事なんだろうな……!!」
処刑台の上、膝をついて目を見開くエースを確認した白ひげは地を震わす笑い声を漏らしながらも、低く抑えた声を響かせた。
「ちょっと待ってな……エース!!」
「オヤジ!!!」
薙刀を置き、両手を構えた白ひげは能力を使いながら地面を揺らした。それに合わせて大きく盛り上がる海を見て海軍は悲鳴をあげる。そんな中、処刑台の上からエースは叫んだ。
「オヤジ……みんな……おれはみんなの忠告を無視して飛び出したのに、何で見捨ててくれなかったんだよォ!! おれの身勝手でこうなっちまったのに!!」
血を吐くような叫び声を聞いて、しかし、白ひげは毅然とした態度で応えた。
「いや……おれは行けと言ったハズだぜ、息子よ」
「!!? ウソつけ!! バカ言ってんじゃねェよ!! あんたがあの時止めたのにおれは……」
「おれは行けと言った――そうだろ、マルコ」
「ああ、おれも聞いてたよい! とんだ苦労かけちまったなァエース!」